騒音についての裁判例控訴審判決

神戸地裁平成29年2月9日判決の控訴審である同年7月18日大阪高裁判決は,控訴を棄却し,一審の結論を維持しています。「本件保育園の発生する騒音の内容,本件保育園の有する公共性・公益性」と言う項目で以下のように述べています。「園児が園庭で遊…

騒音による防音壁設置等請求について

神戸地裁平成29年2月9日判決は,保育園の近隣に居住する住民である原告が,被告である社会福祉法人に対して,保育園敷地に隣接する土地との境界線上で50dB以下とする防音設備を設置することと,不法行為に基づく慰謝料の支払を求めた事案で請求を棄…

園庭での鬼ごっこ中に生じた転倒事故について

平成10年12月 7日東京地裁八王子支部判決は、クラス全員で園庭で鬼ごっこをしていたところ、原告が鬼役の園児に追われて走って逃げていた際、鬼役の園児に背中を強く押されて転倒し、建物玄関前のタイルレンガ製の玄関ポーチに前額部を衝突させた事故に…

こども園に対する防音設備設置や慰謝料支払の請求が棄却された事案

名古屋地裁岡崎支部平成30年9月28日判決は,子ども園を運営する社会福祉法人に対して,道路を隔てて居住している住民らが,所有権ないし人格権に基づき,防音設備設置及び慰謝料の支払を求めた事案において,私人の事業活動に伴って生じる騒音によって…

園児が他園児から頬を噛まれた事故につき、保育園の運営主体が損害賠償責任を負うとされた事例

東京地裁平成26年 2月28日判決は、被告の経営する保育園に通っていた原告が,同保育園の他の園児から右頬を噛まれたとして,被告に対し,監督者責任を請求した事案で、右頬部外傷後の軽微な色素沈着を伴う径5mm大の瘢痕の傷害につき損害賠償を認めつつ…

園児が突然に走り出し転倒する可能性を予見することが困難であったとされた事案

東京地裁平成21年5月25日判決は、被告が経営する保育所における散歩の帰り道において,原告を含む2名以外の園児6名は,サークル車(カート)に乗せられて保育所に戻ることとなったが,原告ともう1人の園児は、担任保育士とともに,途中にある遊歩道…

保育室内に置かれた危険物に基づいて発生した事故について

東京地裁昭和45年5月7日判決(判例時報612号66頁)は、担任教諭が保育室の床上に置いていた熱湯を入れたやかんに4歳園児がつまづいて転倒し、流出した熱湯を浴びて、身体に熱傷を受け、熱傷性癈痕ケロイドを残した事案において、担任教諭が5才前後…

医療機関への連絡等の遅れについて安全配慮義務違反が認められた事例

岡山地裁平成18年4月13日判決は,当時5歳であった女児が保育時間中,嘔吐したのち救急搬送され,痙攣重積症等と診断されたのち,知的障害の判定を受けた事案で,保育園を開設している被告に対し,救急搬送の手配等の措置を適時にとらず1時間以上も治…

ベッド上で伏臥中吐物を出し乳児が窒息死した事案の損害賠償について

京都地裁昭和50年8月5日判決は、乳児保育園を設置経営して乳児保育事業を行っている社会福祉法人である被告に対して,ベッド上で伏臥中、吐物を出して窒息死した乳児の父母が損害賠償を請求したところ、その請求を棄却した事案です。「被告は・・・保育…

園児同士の偶発的・瞬時の衝突事故と園の責任について

松山地裁平成9年4月23日判決(判タ967号203頁)は、被告経営の幼稚園において生じた,4歳児がほかの園児と衝突し,眼球瘢痕や視力低下などの後遺症を残した事故につき,安全配慮義務違反が争われた事案において「心身共に未熟な幼稚園児の教育、…

近隣住民への情報提供や相談及び助言

児童福祉法48条の4第1項は,「保育所は、当該保育所が主として利用される地域の住民に対してその行う保育に関し情報の提供を行い、並びにその行う保育に支障がない限りにおいて、乳児、幼児等の保育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めなければ…

都道府県知事による実地検査について

児童福祉法46条1項は,同法45条の基準を維持するため,都道府県知事は,児童福祉施設の設置者等に対して,必要な報告を求め,児童の福祉に関する事務に従事する職員に,関係者に対して質問させ,若しくはその施設に立ち入り,設備,帳簿書類その他の物…

職業紹介事業者と保育所

保育所向けに,職業紹介事業者を選ぶときのポイント,利用する際の注意点が公表されています。厚生労働省の運営する「人材サービス総合サイト」(http://www.jinzai-sougou.go.jp/)を参照することで,職業紹介事業者を検索し職業紹介事業者に関する登録内容…

児童福祉法45条

児童福祉法45条1項は,「都道府県は、児童福祉施設の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。この場合において、その基準は、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な生活水準を確保するものでなければならない。」として…